デザイナー寺崎 充

新卒でIT企業に入社、営業・企画・コンサルティング・新規事業立ち上げなどに従事。その後クラウドファンディング運営会社を経て、2015年cotreeに入社。デザインを含む各種業務を担当。

今回はデザイナーの寺崎さんを紹介します。株式会社cotreeのサービス全般、「cotree」「escort」「takk!」のデザインを主に、様々な業務を担当しています。

社内では、チーム全体を見守っている、頼れるお父さんのような存在です。
2015年にcotreeに入社した寺崎さんは、櫻本さんを側で支え続けています。細かな心遣いに溢れ、困っている時には手を差し伸べてくれる寺崎さん。
そんな寺崎さんが、うつ病を抱え生きるか死ぬかを考えた4年間のこと、そして今、どのような思いでcotreeで働いているかを綴っています。ぜひお読み下さい。


生きるか死ぬかを考え続けた4年間

cotreeには2社を経て入社しています。
その2社とも『うつ病』によって休職、退職してきました。

『うつ病』を抱えていることで、いわゆる『普通の生活』『普通に求められる夢』『普通に湧き上がる欲求』を自分は持つことが出来ない『社会からはみ出した人』になってしまったのだなと、人生に絶望しました。

病気になったことで、友人だと思っていた人達は離れていき、信頼していた仲間も去り、一層の孤独を抱えることになりました。
何よりも、自分の両親が息子である僕の病気を受け入れてくれなかったことが辛かったです。

2社目を退社した時点で、うつ病歴は3年目に突入していました。
人生からどんどんと彩りが失われ、目に映る世界はモノトーン化し、耳から入る言葉は心に届かず「肉体が生きているから惰性で生きている」という状態が続きました。

「死にたい。でも怖い」を繰り返し、『死ぬべき理由』と『死ねない理由』を考え、気がついたら寝ている。
熱帯夜のある日、ベッドで横になっていたら急に寒気が襲ってきて震えが止まらず、朝まで1人お風呂で体育座りをしながらシャワーを浴びていたこともありました。

『生きること』への問いに答えるのではなく、『生きること』からの問いに答えよう

退職してから死んでいるように生きている毎日でも、傍に彼女––今では妻として支えてくれています––がいてくれたことは救いでした。

病気になっても、基本的な関わり方に変化はなく「病気も含めてあなた」と受け止め、受け入れてくれたことは、僕が今ここに生きている大きな分水嶺になったように思います。

彼女自身、僕の病気によって大きなストレスを抱えていたと思いますし、その中でも笑顔を絶やさず、僕の調子に合わせて寄り添ってくれたことには、感謝してもしきれません。

散歩をしたり、ジムへ行ったり、自分の好きな音楽を聞いたり、一緒に御飯を食べたりする日々。
そんな時間を、少しずつ少しずつ、ゆっくりとゆっくりと積み重ね、紡いでいきました。

1年ほどそんな生活を続けていたら、これまで自分だけを視ていたた心と身体が、徐々に外へと向き始めました。

「自分は生きる価値があるのか」「生きるとはなにか」という、自分が『生きること』に問いかけるのではなく、
僕に訪れたうつ病という病は、僕に何を問うているのか」「この問に何を持って答えたいのだろうか」そんなことを考えるようになったのです。

この体験を”誰かのために”

うつ病のみならず、病を抱えるというのは大変なことだと思います。

うつ病を特別視しているわけではありませんが、うつ病は”表から視えづらい”病であり、それ故、周囲からの理解を得難く、周囲の人達もどう接したら良いかわからず、当事者も周囲の人達も消耗しやすいものだと、闘病生活を通じて痛感しました。

レントゲンで視えるわけでもない、肉体に刺激を与えても特定の部位が痛いわけでもない。生きる上で生じる、疲れや抑うつ感、不眠などの症状を抱えているだけ、と思えてしまう。

当事者は病気の辛さに加えて、周囲との理解とのギャップに苦しむ、そんな、より辛さが増す悪循環に陥る危険性が高い環境に置かれていると思いました。

『うつ病という病を抱えて生きるとはどういうことなのか』を僕自身が勇気を持って表現していくことで、同様の苦しみを抱えている”誰かの勇気”になれたら良いな。そのために、行動しよう

『生きること』からの問いについて考えた結果、これがその問いへの暫定解となりました。

久しぶりに開いたFacebookでの邂逅

そうして指針がたったところで「そろそろ社会との接点を作り直そう」と、久しぶりにFacebookを開きました。

病気にならなければ手に入れていただろう景色がどんどんニュースフィードに流れてきて、少し心が痛みましたが、そんな中に目を引く投稿がありました。

前職に在籍していた時、たまたま会ったことがあった櫻本さんの投稿でした。

オンラインカウンセリングサービスを立ち上げて、アルバイトを募集中!

といった内容でした。

僕の闘病経験をこのサービスに活かすことが、”誰かの勇気になる“ということへ繋がるのではないだろうか。
そんなことを考え、投稿に対して「僕で良かったら手伝わせてほしい」とコメントしたように記憶しています。

その後、あまり日を置かずに面接して頂き、アルバイトで働くこととなりました。
うつ病を抱えながら、うつ病を活かす働き方を模索する日々が始まりました。

小さなオフィスから広がる『やさしい空気』

僕が入社した当時の2015年は、cotreeと数社が同じマンションの一室に入居して働いている状況でした。

いつも室内にいるのは櫻本さんと僕と他社の方のみで、週1〜2回ほど親会社のcalooに在籍しているエンジニアの小倉さんがいらっしゃる。
そんな中で、コンテンツの作成や資料作り、その他雑務など自分が出来ることは何でもやりました。

櫻本さん自身、他者への想像力を大切にし、自分の想像力が及ばない箇所もあることも踏まえて人と接する人です。

その姿勢にとても助けられました。うつ病になってから、近親者以外で”人として”接してくれた人と出会えたことは、僕の人生にとってとても大きな出来事だったと思います。

櫻本さんのみならず、cotreeに関わる人達はとてもやさしく、相手への配慮を忘れず、支え合う風土がそこはかとなく感じられる会社でした。

僕の症状が酷く、それによる発言や行動で櫻本さんはじめ、仲間に迷惑をかけたこと、傷つけたことは数え切れません。
その度に皆のやさしさに癒やされ、支えられ、ゆっくりと歩みを進めることが出来たのだと思います。

出会いと別れと出会い

入社してからこれまでの約4年間に多くの仲間と出会い、新しいサービスの立ち上げ、京都での合宿、移転、誕生会、忘年会、など、様々な人生を仲間と共にしてきました。

その中で、一時でも一緒に過ごした仲間が去ることは、僕がもっとも心を痛める瞬間でした。
人との出会いは一期一会と言えば聞こえは良いですが、別れるときの辛さは渦中にある人のみが抱えられるものだと思います。

僕が人と対峙するときは、その人の背景にある『物語』をちゃんと視て、その人のあるがままを受け止め、関係性を構築していくことを大事にしています。それは、相手が誰であっても変わりません。

ただ、仲間と紡ぐ物語はやはり格別なものです。

毎日顔を合わせ、意見を交わし、感情を交わし、触れ合って出来上がるものは、とても貴重で、手作りのセーターのようにユニークな様相を呈します。

その仲間が去るというのは、悲しく、辛いものでした。
「もっと何か僕に出来たのではないだろうか」「仲間としてなにかできなかったのだろうか」と。

cotreeは少人数の会社です。
故に、一人一人に対する想いを強く抱えて僕は過ごしていますし、仲間も同じ想いでしょう。

その分、出会いも嬉しく、別れは辛いものとなります。
しかし、それすらしっかりと受け止め、次の出会い、別れに向き合える、そんな会社がcotreeだと考えています。

同じ苦しみは抱えられずとも、寄り添い支えることが出来る存在へ

生きていれば誰しもが『病』に侵されることはあるでしょう。

その度、苦しみや痛みを抱え、人生を投げ捨てたくなるような感情に支配されたり、衝動的な行動にはしりたくなるときもあるかと思います。
それでも『生きること』は「生きるもの悪くないよ」と”あなたらしい生き方ってなんだろう”という問いを投げかけては、いつでも傍に寄り添ってくれているのです。

だから、今度は僕自身の手でそれらを表現していくことが、直接関わり合いが無い人や、仲間が病に侵されたときの支えとなり、生きる歩みを止めてしまっている人の『一歩踏み出す勇気』へと繋がれば良いなと思っています。

その表現のカタチの1つが、弊社が運営しているサービスのcotreeであり、takk!であり、escortであり、u2plusなのだと考え、日々の業務にあたっています。

1つの生命体を皆で生きる

今、cotreeにはコアメンバー含めて10名以上が関わってくれています。
カウンセラーさんも含めると約80名です。入社当初と比較すると、仲間が増え、cotreeにも多様性が出てきました。

仲間が増えていく度に、新しい関係性が構築され、そこで物語が発生し、組織として豊かな土壌が出来上がっていく様は、
まるで1つの生命体を皆で作り上げている、生きている、そんな感覚になることがあります。

これまでの変遷を見てきた僕にとって、その内に居れることは、とても感動的で、幸せなことだと感じています。

人は誰しも凹凸を抱えています。
得手不得手、好き嫌い、性格特性、思考特性、身体特性など、生来のものもあれば、これまで歩んできた人生から獲得してきたもの、獲得せざるを得なかったものまで様々です。
それらと『これから先』を見据えた『今』が人を構成しているように思います。

では『これから先』とはなにか。
それは、我々が掲げる理念”やさしさでつながる社会をつくる“に収束していくものだと考えています。

辿ってきた道は違えど、見据える先を共にできる仲間がいるというのは、心強く、そのために自分を変えていこう、そう思えるのです。

個々の物語が、組織・サービスに滲み出し、その先へ

ビジネス的な視点や効率性だけで人の物事を切り取ろうとすると、サービスや組織から『体温』が失われ、誰の心にも届かないものに成り果てる。
一歩間違えれば簡単に生まれてしまう、こういった現象は世の中に溢れかえっているのではないでしょうか。

また、人には「病める時も健やかなる時もある」ということを忘れ、人を『代替可能なもの』であると考えて、目の前にいる仲間を蔑ろにしていないでしょうか。

僕は、自身が掲げている理念を灯台に、その理念を個々人の人生で解釈・咀嚼することで、自分なりの『やさしさ』を表現し、想像力を持ちながら目の前にいる人と向き合うことを大事にしたいと考えています。

『やさしさ』とは◯◯である、と答えを誰かに求めるのではなく、一人一人がその問いと向き合いつづけ、仲間と考えを交わし合う。
そこから滲みでてくるものが混ざり合って、体温が感じられる『やさしい』サービス・組織が生まれるのだと信じています。

未踏の問いだからこそ、謙虚に、仲間を信頼し、ユーザーさんを信じ、一緒に歩みを進めて行きたいと強く願っています。


■インターン生からの一言■

辛いことがあり悩んでしまった時には、「自分には生きる価値があるのか」「生きるとは何か」という「生きる意味」を問いかけてしまいがちです。しかし寺崎さんのように「自分らしい生き方」を問いかけることで、自分の大切にしたい人や物、目的を、自分自身で決めていけるのだろうと感じました。

寺崎さんの理念である、自分の感じた痛みや苦しい経験を「誰かのため」の力にし、やさしさで繋がる社会を作ること。
これはcotreeで働いている社員皆の思いだと思います。この気持ちを忘れず、常に目的に立ち返りながらcotreeのサービスを届けていきたいと心から思います。

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